糖質制限中の月経不順と対処法について

ここ数年すごい勢いで流行中の糖質制限ですが、糖質制限を行う事で月経(生理)不順に悩まされる方が多いようです。まず炭水化物(糖質)の制限による減量効果のエビデンスは証明されていません。(摂取カロリーが同数値で糖質の量を変更した場合のなどの研究)経験測ですが糖質に対するカラダの反応は非常に個人差があるため万人に進められる方法ではないと感じています。

特定の病気やボディビルの大会を目指すレベル(体脂肪率一桁を目指す)の方を除けば、糖質に拘らず食事の全体を管理する方が良いのではないでしょうか。大前提としてですが月経不順になった場合には医療機関を受診しましょう。

女性が高ケトン状態になると月経(生理)異常を起こすケースが見られるようです。以下の研究はてんかんの治療として糖質制限食の有効性を図る実験結果になります。http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1528-1157.2003.57002.x/full

被験者:青年45人(男子25人、女子20人)食事開始時の平均年齢は14.4歳。

(てんかんに対する結果は今回の趣旨とは異なるので割愛させて頂きます)糖質制限食(ケトジェニック)を行った場合副作用として約45%の女性に月経異常が認められました。具体的には、無月経(6)および遅発性思春期(3)である。月経(生理)不順を抱える9人の女の子のうち4人だけが体重減少、残りは体重減少はみられなかった。

*遅発性思春期とは:身長や乳房、生殖器の発達遅延、初月経などが第二次性徴期に遅れる事を言います。(詳しく知りたい方は調べて下さい)

これ以外にも成人向けに行った糖質制限食(ケトジェニック)ダイエットのてんかん治療の研究では成人女性のホトンドで月経異常が見られるようです。体重維持するほどのカロリー摂取をしていても、強度の糖質制限を行うと月経(生理)不順を招くリスクが高まるります。

近年の糖質=悪のイメージが先行している状態では、少し衝撃的な内容ではないでしょうか。

■1.糖質制限(ケトジェニック)ダイエットを開始して月経(生理)不順が起きた時の対処法

対処法としてはいくつかの方法があります。と言いますのも、実践者さんが「何を優先するのか、どこまで管理出来ているのか」で選択が変わってきます。ここではいくつかの方法を記載するのであなたに合ったものを選んでください。

●#1-1糖質制限(ケトジェニック)ダイエットを中断する

恐らくこの方法が一番月経不順の改善には効果的だと思います。糖質とエネルギーをカラダに与えて正常な働きを促す方法になります。デメリットとしては「減量が進まなくなる、食事の設定を間違うと体重が増える」になります。

これまでの反動で食べ過ぎると体重が増え続ける可能性があるので、注意しましょう。糖質を摂取する事で2~3kg体重が増える事もありますが、これは水分量の変化なので焦らずに気にせず糖質を取り続けて下さい。

●#1-2糖質のみ摂取量を上げる

この方法は食事の総量は変えずに、減量を中断する必要がないので一度この方法を試して変化がない場合は↑の「●#1-1糖質制限(ケトジェニック)ダイエットを中断する」を試してください。

この方法を行う為には一日の総kclと総糖質量を知っておく必要があります。という事で手順は以下の方法になります。

  1. まずは1週間程度、一日のkclと糖質量を計測する
  2. 一週間分計測出来れば計測数値を日数で割る
  3. kclと糖質の平均値が出るのでkclは変化させずに、糖質の量を上げる(糖質の量は最低一日100g以上)

上記の手順で糖質摂取量を引き上げて月経周期を迎えて様子を見て下さい。これでも改善されなかれば、さらに糖質量を上げるもしくはダイエットを一時中断するなどの方法が必要になるでしょう。

以上の方法で総kclが向上しなければ糖質を摂取しながら減量を進めて行けるはずです。一時的に体重が増えても水分量の変化なので焦らずに続けて下さい。

■まとめ

糖質制限否定派ではありませんが、糖質さえ控えればダイエットに成功するというイメージには大反対です。一般の方がダイエットに取り組む際には敢えて選択する必要はないのではないでしょうか。もう一度書きますが、今のところ私に知りうる限りでは総カロリーが同じ場合ケトジェニックする事で劇的に減量効果が高まるエビデンスはありません。(あれば教えて下さい)

という事で減量しつつ、筋肉量の維持向上を目指すならば糖質も脂質も過度に制限せずに食事の総量をコントロールして減量する方法を強くオススメ致します。

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